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香山リカ ポケットは80年代がいっぱい [80年頃の日本のパンク]






ポケットは80年代がいっぱい

ポケットは80年代がいっぱい

  • 作者: 香山リカ
  • 出版社/メーカー: バジリコ
  • 発売日: 2008/02/28
  • メディア: 単行本


(amazonの商品紹介)
"サブカルチャーの生き証人・香山リカが描く、
オシャレ・キュート・アヴァンギャルドな80年代の日々

伝説の雑誌「HEAVEN」「遊」はじめ、
貴重な雑誌、レコードの写真も収録。

1981年、サブカルチャー勃興期の渋谷。伝説のカルト雑誌『HEAVEN』の編集部が、香山リカの出発点だった。そこは祖父江慎、町田町蔵、巻上公一、戸川純、浅田彰らが集い、最先端のカルチャー情報が飛び交う、ちょっと危険な香りが漂う文化サロン。その過激で濃密な交流の日々とは?

「新人類」「ニューアカデミズム」「ニューウェーブ」「テクノ」「スキゾキッズ」など数々のキーワードを生み、多くの才能を生み出した80年代サブカルチャーの現場を描く、オシャレ・キュート・アヴァンギャルドな80年代クロニクル。

「ニューアカデミズムの旗手」中沢新一と香山リカとの対談『「ニューアカ」と「新人類」の頃』も合わせて収録。"

この本の中心人物で「香山リカ」の名付けの親でもある(そのへんのいきさつも詳しく書いてあって面白い)山崎春美の名前が省かれているのがけしからんなあ。

山崎春美が敢行した、あの「自殺未遂ギグ」に医大生として立ち会った際の、冷静さと高揚感がないまぜになったレポートも、とても面白い。

私にとってのキモはここでした。「長めのあとがき」から。

"しかし、こうして振り返ってみると、80年代は前半と後半、つまりプラザ合意の前と後とで分断されており、80年代文化と呼ばれるものの「バブル景気と関係ないもの」と「バブル景気とつながりを持つもの」とのあいだではかなりの隔たりがある、と言ってよいのではないだろうか。つまり、「プレプラザ」と「ポストプラザ」の80年代はまったく別ものなのである。

私が触れたのはもちろん、「プレプラザ」のほうの80年代文化である。それは、狭量で排他的でマニアックで、下世話と高貴、コマーシャリズムとアカデミズムの垣根を取り払おう、という当事者たちの姿勢は一応、あったものの、今から思うと十分に高踏的なものであった。また、その前の時代よりは上向きだったものの、企業から数十万の予算がつくだけで「なんてぜいたくなイベントなんだ」と感じるほど、経済的規模は小さなものであった。

とはいえ、そのころは自分たちはアンダーグラウンドにいるのではなく、時代の最先端にいるのだ、というある意味で幸福な錯覚だけは、誰もが持っていたような気がする。そして、その錯覚は、一部の人たちの中でいまもノスタルジーとは異なるリアルな感覚で残っているような気もする。

私は、リアルタイムで『HEAVEN』にかかわり、「ゼビウス」で徹夜し、ナイロン100%で勉強してパルコの「モダーンコレクション」のステージにも上がった、というしょうもない自負心。それがどうした、と言われれば、どうしようもないのだが、「わかってくれる人にだけわかってもらえればそれでいい」という排他的なその自尊心は、いまだに私自身も捨てられない。バブルの洗礼を受けていない80年代文化を生きていた、という感覚は、いまだに私の神経の奥深くに潜んでいて、宿主の体調が悪いときに活動を始めるヘルペスウィルスのように、ときどき突然、グニョグニョと蠢き始めるのである。"

・・・・・・
うん、深く深く納得。とはいえ私はこの時期は中学生かせいぜい高校に入ったくらいなので、そういう世界を垣間見てあこがれている、という程度のものでしかなかったわけだけれど、それでも去年からdB-BOXを始めて、この時代のことを振り返ってみるようになると、自分がこの時代から受けた影響はとても大きいのだと改めて感じているのです。
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